内容説明
コーラン、タルムード、多言語の書物。医学書に美容書、料理本、そして楽譜。すべて、印刷された書物はヴェネツィアから生まれた。
目次
第1章 本の都、ヴェネツィア
第2章 出版界のミケランジェロ、アルド・マヌーツィオ
第3章 世界初のタルムード
第4章 消えたコーラン
第5章 アルメニア語とギリシャ語
第6章 東方の風
第7章 世界と戦争
第8章 楽譜の出版
第9章 体のケア―医学、美容術、美食学
第10章 ピエトロ・アレティーノと作家の誕生
第11章 衰退、最後の役割、終焉
著者等紹介
マーニョ,アレッサンドロ・マルツォ[マーニョ,アレッサンドロマルツォ] [Magno,Alessandro Marzo]
ヴェネツィア生まれ。ヴェネツィア大学でヴェネト史を専攻。週刊誌『ディアーリオ』の海外ニュース担当責任者として活躍中。ミラノ在住
清水由貴子[シミズユキコ]
東京都生まれ。上智大学外国語学部卒業。翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
コットン
65
アルド・マヌーツィオは16世紀に10万部のベストセラーを出したり文庫本を広めた人らしいがこの本を読むまで知らなかった。コーランの再発見についての道程もエキサイティングで面白い!。2023/11/14
ぼのまり
5
活字、活版印刷技術の発明、文庫本の発明など本の歴史はヴェネツィアを起点とすることを初めて知る。商業都市として栄えた街で様々なジャンルの本が次々と生み出された当時の活力を見事にまとめているように思う。行間から古本の香りのする気がするのは気のせいだろうか?2013/07/20
メルセ・ひすい
5
電子書籍の世紀? …本は質感 電子はあの読者を魅了する匂いが無い 本は肩に食い込むあの重さにしびれる! あまりにも有名なグーテンベルクの四十二行聖書 そして最初の写真は『ヒュプネロトマキア・ポリフィリ』(ポリフィリス狂恋夢)の中面。作者はドミニコ会修道士のフランチェスコ・コロンナ。1499年、ヴェネツィアで、アルド・マヌーッィオによって刊行された。コーラン、タルムード、多言語の書物。医学書に美容書、料理本、そして楽譜…。すべて、印刷された書物は、ヴェネツィアから生まれた。そんな奇跡の土地と時代を描く 2013/05/27
水無月十六(ニール・フィレル)
4
中近世最大の出版都市ヴェネツィア。書籍や出版にまつわる出来事を、ヴェネツィアを中心にまとめた本。マヌーツィオによる文庫本の発明から始まる読書の娯楽化。現代のの読書好きはこれの恩恵をかなり受けているのだなと感じる。固有名詞の多さで全体的に内容が捉えにくいような気もするが、書籍の出版史や幻のコーランの発見など興味深い内容が多かった。2021/10/06
lico
3
水の都は本の都でもあった。かつて、商業や軍事の中心地であったヴェネツィアには物資だけでなく言語や文化も集積していった。活版印刷という当時の最新技術がヴェネツィアに到達してからの発展の軌跡が、ジャンルごとに章を分けて解説される。各章ごとに、時代を何度も前後するため時代の流れのなかでの本の流行り廃りを把握するのは難しいですが、集中して各ジャンルの本の歴史を見ることができます。どの章を見てもヴェネツィアの栄光と自由のなかで、印刷業の興亡が分かりやすく解説され、作者のヴェネツィアと本への愛が伝わってきました。2013/12/30